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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第2章 ワインレッドscene1


「あー、そりゃ無理じゃねえかなー」

『無理かなー…でも、やりてーなー』

「いくらなんでもなー…」

『あっごめん。ちょっと留守電いれるつもりで掛けたから充電なくなる!』

「お、おお」

『ごめん。あ、夜さ、あのお店いか…』


ブツッ…

ツーッ…ツーッ…ツーッ…


どのお店だよ…松潤…

つか、これはお誘いだと受け止めていいんだな?

仕方がない。松潤と行ったお店リストを開こう。

タブレットを起動し、フォルダを検索する。

「あった」

全部で5軒。

ん、5軒なら回れるな。

突然の休日に、俺は松潤に会うことだけを目標に計画を立て始めた。

突然、稲光が瞬いた。

「ええ!?今日そんな天気悪くなる予報だっけ?」

思わず声に出して言ってしまった。

同乗していたスタッフが、スマホを開き天気予報を調べ始める。

「あ、なんか変わってますね。夜は、雨ところにより雷雨になってますよ」

「えー…マジテンション下がるわ…」



今日は汐留まで戻る必要なしとのことだったので、自宅付近まで送り届けて貰ってコンビニで唐揚げを買う。

もうお昼近かったこともあり、空腹で我慢できなかった。

自宅に戻り、手を洗ってうがいをし、早速頂く。

片手で唐揚げを持ちながら、タブレットを操作し、今晩どうやって回ったらいいか、ルートを組み立てる。

唐揚げを食べ終わり、まだ足りなかったので、キッチンのフルーツを持ち出す。

りんごはむくのが面倒だったので、バナナを食べる。

口の中がもそもそとするが、飲み物のストックがなくなっていたことに気づいて、仕方なく浄水器の水を飲む。

小腹を満たした俺は、今日の夜の行動予定ができたと同時に寝落ちしてしまった。



気がついたら、薄暗くなっていた。

昼間もどんよりとした空だったので、咄嗟に何時くらいになってるのかわからず焦った。

時計を見ると、夕方5時。

「軽くシャワーでもすっか…」

仕事用の髪型にセットして寝てしまったので、頭の形がありえないことになっていた。

スプレーである程度固めてしまうので、寝ぐせがついたらなかなか直せないのだ。

ぐっと背伸びをして、バスルームへ向かう。

待ってろよ松潤。

探し当ててやるぜ。

ニヤリと笑うと、シャツを脱ぎ捨てた。
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