第6章 アップル・グリーンscene1
~例の三人の会話~
櫻井が新聞を読みながら、少しずつ松本の背後に迫る。
「ちょっと奥さん」
「ん?」
「見ました?あの二人」
「ああ…あいつらね…」
「下の名前で呼び合っていましたわよ?」
「怪しいな…」
「怪しいですわね…」
よく見ると、松本の顔が少し赤いようだ。
「ちょっと奥さん、顔、どうされたの?」
「カズに殴られた」
「…あら…じゃあ…」
「でも、相葉さんも殴られたらしいよ?」
「まっ、なんてことでしょ」
櫻井は井戸端プレイにハマっているようだ。
そこに魂を抜かれたような顔の大野が入ってくる。
「…翔ちゃん、松潤…」
「あら、大野さんの奥さんどうなさったの?」
櫻井、しつこい。
「…あのね、俺、相葉ちゃんにすごいこと聞いちゃったんだけど…」
「え?何?」
松本、なんだか嬉しそうである。
大野は、ちょっと魂の戻ってきたような顔になって言った。
「使ったらしいよ、アレ…」
楽屋に沈黙が訪れる。
それは長い長い沈黙だった。
「で、どっちがどっちなの?」
沈黙に耐え切れず櫻井が口火を切る。
「相葉ちゃんが、下だったらしいよ?」
大野の発言に、松本と櫻井に戦慄が走る。
「嘘だろ!?絶対逆だと思ってたのに!?」
松本、声が大きい。
「うおおおお!マジか!予測不可能!!」
櫻井、お前もだ。
「俺、カズのことちょっと見直しちゃった…あいつも男なんだね」
大野、論点が違う。
「と、いうことは…」
「だな…」
大野がニヤリと笑う。
「俺の一人勝ちだねっ!」
「もーいいやぁ。もってけドロボー!」
そういうと、櫻井が財布から5万円を出す。
松本もしぶしぶ5万円を出している。
「いやーなんにせよ、上手くいってよかったわ!俺、天才!」
松本、ご満悦である。
そんなこんなで、今日も嵐は平和なのであった。
【END】