第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
和也も皿を下げてきてくれた。
「あ、ありがと。ちょうだい」
皿を受け取ると、水道で軽く流す。
そのまま食洗機に入れて、手を拭いたらまだ和也が立っていた。
「なに?どうした?」
「潤…ね、言って?」
「…愛してるよ…和也…」
ふわっと微笑むと、和也は俺の胸に飛び込んできた。
思わず少しよろける。
「このまま離さないでね…」
ぎゅっと俺に抱きついた。
俺は和也の顔をあげさせて、キスをした。
「どうしたの?急に甘えて…」
「愛してるから…」
「え?」
「ふたりとも、愛してるから…」
「俺と雅紀…」
「うん…おかしいかな…?」
「…ううん。ちっとも…」
そんなこと言ったら、俺だって雅紀も和也も愛してるから。
「ずっと…愛してるから…」
和也が小さな声で言った。
「うん…俺もだよ…」
「ありがと。潤」
そう言って微笑むと、和也はキッチンを出て行った。
手には、雅紀に渡すバゲットを持っていた。
「相葉さーん。足りなきゃコレ食べなよ」
「えーマジで?食べる食べる!」
「ああ、もう零さないの!」
そんな二人の会話を俺は、キッチンから聞いていた。
幸せな気分だった。