• テキストサイズ

カラフルⅠ【気象系BL小説】

第30章 マロンscene2+green


◇マロンside



雅紀の顔を見た。


怯えが目に出た。


和也がスマホを奪いとった。


「にぃ?二宮です」


和也の顔は余裕がある。


「うん。もうね、雅紀は俺達のものなの。だから手、引いてもらえる?」


雅紀が今度は和也の顔を凝視した。


「俺、もう雅紀手放さないから」


やっぱり俺と和也の考えていることは同じだったようだ。


「アンタと違って、愛してるから。雅紀のこと…」


低い声だった。


誰かを威嚇するときに出す声。


めったに俺たちには聞かせない声。


男の声。


「アンタの愛はさ…もう枯れてるんじゃないの…?」


和也が雅紀の顔を見ながら言った。


それは、決定的な刻印だった。


雅紀の顔が歪んだ。


雅紀が押せない以上、これは俺達がやる仕事だった。


別れの刻印。


「最初は愛だったかもしれないよ?けど、今、アンタのそれって愛なの?にぃ」


雅紀が床に崩れ落ちた。


俺はそっと傍に近づいて、肩を抱く。


「アンタがどんだけ努力したかわかるけどさ…疲れたんでしょ?」


和也が、みたことないような顔で笑った。


「雅紀はアンタのペットじゃねーんだよ」


そういうと、通話を切った。


そのままスマホを握りしめて和也は動かなかった。
/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp