第30章 マロンscene2+green
◆green side
気がついたら家に着いていた。
潤が紙の買い物袋を抱えて車を降りた。
「え?」
車を降りると、俺の部屋に向かう。
「潤…どうしたの?」
「ん…晩飯、作っておいてやるよ」
「えっ…そんなの悪い…」
「いいよ。その変わり早く治せよ?」
「え…うん…」
昨日、ニノとヤった部屋に、今日は恋人の潤が来る。
堪らない背徳感が襲ってくる。
イケナイコト。
熱で少しぼーっとしてる頭に、その言葉は甘く響いた。
南国の果実のように、それを口いっぱいに頬張ってみたくなった。
部屋に入ったら、潤を食べよう。
俺はなんとなく決めた。
熱のせいにした。
熱があるからこんなこと思うんだ。
きっと。
鍵を開けた。
扉を開けて潤を中に入れた。
潤が中に入ると靴を脱いで上がっていく。
俺は後ろ手に鍵を閉めた。
チェーンも忘れずに閉めた。
そのまま靴を脱いで潤を追いかけた。
買い物袋を持った潤はリビングで立ち止まっていた。
ダイニングテーブルにそれを置かせると、俺は潤に抱きついた。
少し、震えた。