第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
その日は少し和也がうなされてた。
額に汗をかいて、眉間にしわを寄せて寝ている。
「う…ん…潤…」
呼びかける声で目が覚めた。
半身を起こして和也を見ると、寝ている。
寝言かと思ってそのまま寝ようとしたら、うなされ出したのだ。
そっと額に手を載せる。
汗を拭うと、和也にキスをした。
悪い夢なんて吸いとってやる。
そう思っていると、静かに和也の目が開いた。
「あ…潤…」
「どうしたの?怖い夢でもみた?」
「あ…うん…なにかに追っかけられてる夢みた…」
なんでそこに俺の名前が出てくるんだろ。
「もう大丈夫?」
「うん…」
ほうっと和也は息をついた。
そのまま俺を見上げた。
「潤…言って?」
そういうと、和也は薄く笑った。
あの日から、たまに強制する。
でも全然イヤじゃない。
「好きだよ…和也…」
そういうと、和也の顔がたまらなく色っぽくなるから。
「明日は何時から仕事?」
そう言いながら、俺の手は和也のパジャマを脱がしている。
「午後からだよ…」
和也の手も俺のスエットに掛かった。
真夜中、俺たちはイケナイことをするように声を潜めながら繋がった。