第9章 僕らの知らない君【十四松、一松】
【十四松side】
「いい天気だねー、一松兄さん」
「…ああ」
とぉーうっ!十四松だよー!
今ね、一松兄さんと近所を見まわ…じゃなくて、散歩してるんだーっ!
なんで一松兄さんと一緒なのかって?暇そうにしてたから!
確かー、おそ松兄さんはパチンコでー、カラ松兄さんはトッティと釣り堀ー、チョロ松兄さんはライブだったかなー。あはは、よく覚えてないやー。
でも僕、一松兄さんといるのが一番落ち着くからいいんだけどねー。
「…おい、十四松」
「なーにー?」
「そっちじゃない。今日は公園側だって言われただろ」
「あはは、ごめんごめん」
一松兄さんが僕にメモ用紙に書かれた地図を渡してくれる。あ、この字はチョロ松兄さんのだ。
えーと、真ん中で区切って、右側は昨日回ったから、今日は左側なんだっけ。
うーん、案外広いんだねー。
「彼女、この公園で会ったんだよね?」
「…らしい。だからこの周辺を注意深く観察してこい、だって」
「なるほどー。了解であります!」
「…ほんとに分かってんのか、十四松」
「分かってる分かってる!」
探偵ごっこみたいで楽しいなぁ!あ、でも楽しんだら彼女に失礼だよね。真面目にやらないと!
だってこの¨散歩¨は、絵菜のためにしてるんだから!