• テキストサイズ

【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第8章 芽生えた感情【トド松、おそ松】





【絵菜side】



布団に寝転がりながら、私は今日一日の出来事を振り返っていた。


…まさか、あいつが私の前に再び現れるなんて。


二度と会うことはないと思っていた。自分なりに退路も断ったつもりだった。でも甘かったらしい。


…きっと、お父さんが仕向けたのかもしれない。昔から諦めだけは悪いもの。


もしそうだとしたら、私はどうすればいいんだろう。せっかく逃げてきたのに、これじゃ意味がないよ。


ため息をついて、寝返りを打つ。


…そして、トド松くんとおそ松くん。


さっきも二人で私を家まで送り届けてくれた。本当に今日はずっと彼らにお世話になりっぱなしだったな…。


こっちに来てから、初めてできた大切な友人。だから助けてくれたのも、純粋に嬉しかった。


でも…


トド松くんに抱き締められて。


おそ松くんにキスされそうになって。


私の中の、彼らに対する¨想い¨が、少し変わった気がする。


なんで二人が私にあんなことをしたのか、理由は分からないけれど。


…嫌じゃ、なかった。


あの男と別れてから、何度か男性に迫られたことはあった。でもその度にあの男のことが頭を過って、固く拒絶してきたのに。


どうしてだろう。


確かに6つ子のみんなには信頼を寄せていた。それは今でも変わらない。事実今日だって助けてくれた。こんな隠し事ばかりの私に、優しくしてくれた。


彼らを思い浮かべると、胸の奥が温かくなる…この気持ちは、何なんだろう。


「にゃー」


ルルが私の手に擦り寄ってくる。


「…ねぇ、ルル。私…どうすればいいんだろう」


「にゃー」


「…うん、そうだよね。自分のことだもん。自分で…考えなきゃ」


…でも、今日はもう疲れちゃった。


「おやすみ…ルル」


明日は、何事も起こりませんように…そう祈りながら、私は眠りについた。


/ 325ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp