第7章 動き出す、歯車
その仕事とは、とある中小企業の事務員。事務は前に働いていた会社でも経験していたし、パソコンも学生の頃からわりと堪能で資格もあるから、作業面ではなんら問題なし。
これまで面接を受けてきた企業はそれこそ接客業から調理員までなんでもあったけれど、ここにきてやっと分かった。やっぱり事務員が私の天職なのだと。…そんなわけでもないかな?
合否の連絡が来て、¨採用です¨と言われた瞬間、涙が出そうになった。
それくらい、なんだろう…とにかく、舞い上がるくらいに嬉しい。
正式な配属は2週間後かぁ…ああ、今すぐにでも働きたい!
そうだ、おそ松くんたちみんなに報告しないと!
近々面接がある、と伝えたら、みんなは私の心情を気遣ってか、「結果が出るまでは会わないけど、出たらすぐ教えてね!」と言ってくれていたし。
トド松くんのスマホを通して、みんなとは毎日のようにMINEでやり取りはしていた。面接の直前も、
『絵菜ちゃん、平常心平常心。 トド松』
『君ならできるさ。俺が神に祈ろう。 カラ松』
『頑張って。 一松』
『絶対大丈夫!自信持って! チョロ松』
『人って手に書いて食べると緊張しないみたいだよー! 十四松』
『胸張って行ってこい!俺たちがついてるからな! おそ松』
みんななりの激励の言葉をくれた。きっと、面接がうまくいったのは、彼らのおかげもあると思う。
とにかくまずは感謝の言葉を伝えたくて、私は未だ興奮しながらもMINEにメッセージを打ち込んだ。