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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第4章 帰り道





【絵菜side】



みんなと別れ、おそ松くんと連れ立って帰路につくこと5分。


おそ松くんは、私とつかず離れずの距離で車道側を歩いてくれていた。


さっきまであんなに騒がしかったのに、二人きりになるとわりと普通の人というか…送るって率先して言ってくれたのも彼だし、いい人だよね。


「なぁ、就活って大変?」


何か話したいな、と思い口を開きかけた時、おそ松くんが話題を振ってきた。


「就活?うん、まぁ大変と言えば大変かな。どうして?」


「だって君、頑張ってんのになかなか受かんないんだろ?俺が言うのもなんだけどさ、バイトじゃだめなの?」


アルバイトか…うん、友達にも散々言われてきたよ。


「うーん、考えたことはあるんだけどね。私、理想が高いのかも」


「理想?何、IT企業の社長とか?」


なぜそこまで話が飛ぶのか、と密かに心の中でツッコむ。


話すと長くなるんだよなぁ…ここは適当に誤魔化しておこう。


「ほら、やっぱり正社員のほうがいろいろ社会的保障もつくし、保険もきくし、メリットが多いでしょ?だからかな」


「へぇ、そうなのか」


おそ松くんの反応……あれ?もしかして知らなかった?


と、ここでもう自宅の周辺まで来ていることに気が付いた。


「おそ松くん、ありがとう。ここまででいいよ」


私はおそ松くんに向き直ってお礼を言う。


「あれ、もう?わりと近かったね」


「お喋りしてたから余計そう感じるのかも。それよりごめんね、おそ松くん、また来た道戻らなきゃいけないよね」


謝ると、おそ松くんはまたニカッと人懐っこい笑みを見せる。


「あーいいってそんなの気にしなくて。俺が勝手に送りたくて送っただけだしな。家もう近いんだろうけど、気を付けて帰れよ」


「うん、今日は本当に楽しかったよ。短い間だったけど仲良くしてくれてありがとう。お互い頑張って職探ししようね!」


「え、お、おう」


バイバイ、と手を振り合っておそ松くんは来た道を引き返していく。…最後なんだか顔がひきつってた気がしたけど、私何か変なこと言ったかな?



…さて、面接帰りからここまでやたら長かったけれど、愛しの我が家に帰るとしますか。


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