第14章 揺れる心【カラ松】
【カラ松side】
…やってしまった。
俺はとんでもない過ちを犯してしまった。いや、ブラック・ヒストリー…黒歴史と言ってもいい。
なぜ我慢できなかったんだ!いくら願望はあっても、触れてしまったらもう抑制が効かないじゃないか…!
彼女は、軽蔑しただろうか…それでもいい、悪いのは俺だ。どんなシチュエーションであれ、恋人でもない女性にキスなんて、許されるはずがない。
…だが、嫌われたくはないな…。
彼女が他の兄弟の話をする度、心が痛んだ。…これはいわゆる、嫉妬というやつだろう。
自分で自分に呆れてしまうな。今の俺には、嫉妬する権利なんてないというのに。
…絵菜を独占したい。この想いが許される日は来るのだろうか―。