第2章 女神、再会する
「ミスター・フラッグのご友人様が来たぞ!!」
その一言で、周りに居た使用人達は全て移動する。
双子神は、お互いの顔を見合わせると頷いて、その後を追う。
そして、追いかける先には、シャンスの主、ミスター・フラッグことはた坊と、松野家六つ子が勢揃いしていた。
おそ松「やー、はた坊すっげーなぁ!」
双子神は、ドアを開けずに隙間からスルリと幽霊のように、侵入してくる。
はた坊は、そんな二人を横目で見ると使用人に二人専用の机を追加で準備させた。
その時だった。
何気なく、カラ松が後ろを振り向いた。
カラ松「えっ」
「あ、貴方は……、あの時の……」
予想もしない再会に、両方共目を白黒させる。
そして、カラ松は片膝を付き、何処からとも無く出した薔薇をヴィクトワールに差し出した。
カラ松「やぁ、また会えたなマイゴッドレ」
と思えば、凄い勢いで一松のバズーカが炸裂。
トド松「何見えない相手に喋りかけてるの!? 痛いよねー!!」
カラ松「へっ……、見えない……?」
そう、普通は見えないのである。
極稀に、神が見える『神の目』を持つ人間が居る。
普通は、神が住み着く物に触り、それを大事にする事で守護される。
そして、シャンスが住んでいたのは、ハタ坊の頭の上にある、あの旗の棒の部分。
シャンス「へぇー、お前俺らが見えるのかー」
カラ松「えっ、ブラザー達は見えないのか? ほら、ここに双子の男女が宙を飛んで……」
チョロ松「ハァ? お前、ついに頭可笑しくなった?」
おそ松「いやー、今まで痛いと思ってたけど、更に痛いねー!! 肋折れちゃう!!」
六つ子は、カラ松が独り言を言い始めたと思い、お腹を抱えて笑い出した。
シャンス「いい目持ってんね。でも、お生憎様。普通の人間には見えないんだ」
カラ松「って事は……」
ヴィクトワール「あまり、喋らないほうがいいですよ。私達と喋ると、はた坊さん以外は独り言と勘違いなさいますので」
カラ松はわかったように頷くけれど、気になるらしく、時折ちらちらと双子神のほうを見ていた。
その様子を見て、シャンスは何か思いついたように手を叩く。