第8章 不穏な影とジムリーダーたち
「………何かあったのですか?」
ムロに着くと、まずはずれにある洞窟から煙が出ていることに気づいた。また、その洞窟の周りに人が集まっているのだ。
「赤い服の変な連中が入っていったかと思ったら、こっから煙が出てきてな。どうやら崩落事故だったらしい」
また赤い服の変な連中か。
「それでそいつらはまだ中に?」
「いや。3人の子供と若い兄ちゃんが懲らしめてくれたんだと」
子供たちかのことか。しかし、若い男…?俺はその人に心当たりがあった。
「……その子供たちは?」
「ああ。船に乗って慌てた様子で離れたよ。何にも会いたくない人がいる…とか」
ピキッと俺はその言葉にいら立ちを隠せなかった。いつまでも逃げれると思っているようだ。
「そうですか。それはどうも」
「いいってことよ。あんたセンリさんだろ?よかったらサインを………っておい! 危ないぞ!!」
俺は構わず洞窟の中に入っていった。確かに中は砂埃が激しく、上を見るとどこそこにほころびがあった。
「………」
さらに先へと進むと、激しく争ったあとがあった。その戦い方から大きな力を感じた。やはりあの人がいたようだ。そしてさらに奥へ進むと、無理やりこじ開けたような跡がある。その奥は落石し、通路はない。その落石に故意的なものがあることから、誰かを閉じ込める、または切り離そうとしたようだ。閉じ込められた奴は置いといて、こんな真似をするのはあれだろう。
「………戦ったのか?」
明らかに戦闘をした跡があり、さらには中々手こずったようだ。
「…………躾直しだな」