第18章 献身的な愛 南伊
やっぱとことん暗い。どうやら俺はロヴィーノを報われない可哀想な子だと思ってるらしい。
そんなことないよ!!ロヴィーノ大好きちゅっちゅ!!
本編↓
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めんどくさい家系。
めんどくさい親戚。
めんどくさい学園。
めんどくさいセンコー。
でも一番めんどくさいのは自分なのかもしれねえ。
もう、何もかもめんどくさい。
だるい、めんどくさい。うざい。死ね。
死ね死ね死ね死ね死ね。自分なんか、死んじまえ。
「(…死にてぇ)」
休み時間の教室は騒がしい、うるさい。
耳障り。黒板を爪でひっかいたときの音並に耳障り。まともに寝れやしねえ。
きっと俺は、世界一可哀想な奴、不幸な奴。
すべてに恵まれてるはずなのに食事も睡眠も何もかもまともに出来ない、可哀想な子。
いっそ死にたい。
死んだら俺ってどこに逝くんだろうな。
天国ってどんな所?地獄ってどこ?
ああ…そんなの考えるより自分で確かめた方が早いじゃねえか。
ほんっっと、馬鹿。
そう思っちゃえば自動的に体は動いた。
目指すは、最上階。
登校する時よりも身体が軽い。何でかな、人間ってよく分からない。
──ギィィィ…。
朽ちりかけの扉を開くと目が焼けそうなほどの太陽光。
目を細めて周りを確認すると、何かを捉えた。
「…ん?」
タンクの裏でなにかコソコソやってる。
上履きのラインは緑…2年、一個上か。
先輩が大事な時期に何してんだ?
こっそり脚を忍ばせて近づいてみる。
「…ぃ、ない…」
ブツブツ言いながら何かに没頭している様子で、こちらには全く気づいていない様子。
こんなんならもっと近くに行ける。
そっと、さっきよりも結構近づいたはずだけど、まだ気づかないのか。逆に心配だ。
「ない…だ…め、こんなんじゃ…たりねー…ちくしょ、こんなんじゃ…痛くねえ…!!」
びしゃっ。
床に垂れたのと、飛び散ったのと。どれも全部赤。
そいつが持つカッターも、持っている手も。全部赤。
そいつの左腕は…赤、と言うよりは赤黒い。でも、中はほんのり桃色が混ざってる感じ。
…こんな時だけ、目が異様にいいのを恨むわ。
やばい、胃が荒れてきた。帰ろう。
身体を180度回転させた、その時。
尻ポケットから聞きなれたワンコール。