• テキストサイズ

【ヘタリア】Jasper Green【短編集】

第11章 PagophagiaⅡ 英?


「俺なんかが言えないけど、めんどくさい性格のあいつだけどさ、側にいてやって」


そんなの言われなくても、元からそのつもり。

そんなめんどくさい性格だから、最後は孤立して、大好きで、愛しつづけてた弟に負けて、独立された。

そんな可哀想な兄のそばに居てやれんのは、幼馴染みのお前でもない、俺。


「そうだな、好きなのにわざと敵の方に着いた誰かさんとは違って、側に居てやれんのは俺だけだな」

「俺の事は掘り返さないで…。
でもローナちゃん、あいつのために言葉は選んでね?ローナちゃんグサグサと思ったこと言っちゃうんだから」

「ふん、本当のこと言わないと伝わることも伝わんねぇよ」

「…兄貴に似たのかなぁ、じゃあ、よろしくね」


ため息をつきながら帰るそいつを横目で確認してから、扉を開けて兄の部屋に向かう。


最後に家に帰ってきたのは数日前だった。その日は掃除もして、随分前綺麗になったものだった。

が、今の家の中は一変、荒れに荒れた状態に変わっていた。

皿は豪快に割れ散らばれ、いい値段のする時計台や棚も結構な姿になっている。

その荒れ具合をみて頭を抱えながら歩いていると、ある物を発見した。


無惨に切り刻まれた、兵隊人形の出来損ないたち。中には折られたものもある。


「っ…!!」


それを見た瞬間、俺の心は黒い禍々しい何かに侵食された気がした。


気がつけば、足は2階のあいつの部屋へ向かっている。

今日まで黙ってきたけどいい加減我慢の限界かもしれない。

その限界が、何に対しての限界なのか、自分でも分からないけど




end

/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp