第8章 Warmth Please 普
「ん?」
「なんでもねぇ…台所借りるぞ」
ぶっきらぼうに返事しつつ、俺の言葉も聞かずに台所へ行ってしまった。
「可愛くねーの」
「お前も人のこと言えねぇけどな…グスッ…痛ぇ…」
「まだ蹴られてぇのか?」
「分かった、俺が悪かったから!!そ、そうだ…今日ゲーム持ってきたんだ、やろうぜ!!」
ギルがカバンから出したゲームは俺がお気に入りのシリーズ。しかもこの前販売されたばっかのものだ。
「…しかたねぇな」
「けっせせ!(あーあぶねぇ死ぬ所だった…)」
「…(ちぎ…ものに釣られてるし)」
台所から漂うガーリックのいい匂いに心を踊らせながらTVゲームを起動させ、カセットを入れる。
「このゲームは初見だけど、シリーズ制覇してっから負ける気はしねぇ」
「ハッ、俺様はお前と違って頭良いから負けねーよ」
「黙れニート」
ちくしょう、ぜってえ負けるわけには行かねぇ。
このシリーズだけではなくオンラインゲームでも大会で上位に入る程の実力はある俺ら。
「勝った方にはデザートやるよ」
「っしゃオラァ殺るぞ!!」
「お兄様のデザートは俺の物!!」
「ロヴィーノの処●女は俺の物!!」
「おいモザイク」
この後、調子に乗った俺の脳天に缶詰が降ってきたのは言うまでもない。
end