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【ヘタリア】Jasper Green【短編集】

第31章 私の隣はいつも貴方 日



先程も言ったとおり、認めたくはありませんが私のストーカーで年中仕事場、トイレ、そしてお風呂にまで着いてくるのです。

確かに私の素敵な部下であり家族で良く仕事をこなしてくださっています。それでもトイレの個室まで着いてこられるのはさすがの私も恥ずかしいですから…勘弁して欲しい所ですね。

え?違うって?なにがです?


…ああ、そうそう。この前私の服に小さな監視カメラ付けられていましたね。

それに出張先を告げずにいたのにそこのホテルに手紙が届いていたり、不思議ですね。

…本当に、不思議…ですね。


「それは、本田さんの事なら何でも知ってるので…お側に居なくても務めるのが私の義務でしょう?そうでしょう?少なくとも私の心の辞書にはそう書いてありました。」

「貴方の辞書なんて見たことないので知らないです。」

「あ、じゃあ見ます?後悔しますよ?色んな意味で」

「やめてくださいその辞書、なんかデス●ノートみたいであまり触りたくないです。」


暦さんの辞書と暦さんを避けながら庭園の鯉に餌をまくと、鮮やかな色をした数匹がこちらに寄ってパクパクと食べ始めた。

もう夕方だというのに、まだまだ蒸し暑くていつの間に今年も耐え難い夏が来たものだと実感する。

この歳になると一年なんかあっという間で、いつの間にかまた一年、さらに十年が過ぎているのだから困ったものだ。

老い?そんな馬鹿な…確かにここ最近新聞が読み辛いし物忘れも激しいけれど…まだまだですよ。


「本田さん、私買い物に行ってきますけど何がいいですか?」

「あら、もうそんな時間ですか?暑すぎてまだ昼時かと思っていました。そうですね…久しぶりに出前でも取りますか。
えっと確か…よいしょ、あそこの引き出しにチラシが…」

「ちょ、腰大丈夫ですか?私が持って来ますって、本田さんは休んでてください。」


慌てた暦さんによって座布団の上に座らされてしまった。
これ完全におじいちゃん扱いしてますよね。
なんですか…私が貴方のことをちょっと甘やかしてみたら「子供扱いしないでください」なんて不機嫌になったくせに…。


「本田さん!えへへ、ありがとうございます!」


まあ…彼女のあの笑顔をみると、まぁいいかという気分になってしまう所が既におじいちゃんなのでしょうね。


End
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