第25章 お説教 墺
「……」
なんだろう、お嫁さん感が半端ない。
なんか怒られてるのに和むなこれ。
俺よりも少し小さいローデリヒを黙って見ていると「なんです?」と迷惑そうな顔をされた。
「私の顔に、なにか?」
「なんでもねーよ」
なんだか微妙な気持ちになって折角整えてもらった窮屈な襟元をいつも通りに緩めながら背を向け、屋上を目指した。
時計を見るともう後1.2分で始業のチャイムがなるようだ。
次数学だし、サボるしかないなこれ。
「あ、貴方…待ちなさい!!」
「あとでなおすっつーの」
「それもそうですが、今日も遅刻したでしょう!今月20回目ですよ…明日、早朝登校してください!!」
うるさいお説教を半分聞かずに最上階への階段を登っていると、後ろからドダダダという騒音…
…と一緒に鬼のような形相でフライパンを構えながらこちらへ走ってくるエリザ。
「げっ!?」
ホラーゲーム並の怖さに怖気づいてその後校内5周分逃げ回った俺だった。
End