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青春メモリアル【短編集】
第20章 甘えたさん@孤爪研磨
美心の目が少し潤んでいる。
美味しそうだ。そのまま君に覆いかぶさって、食べたくなるくらい。
「ねえ、冬は寒いからあったまろうか」
おれだけじゃなくて、美心も甘えて。
「好きだよ、美心」
真っ赤な林檎から一粒、温かな涙が零れ落ちた。
愛しくて愛しくて、おれだけのものでいてほしいから。
おれは今日もまた、君に溺れてゆく。
fin
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