• テキストサイズ

青春メモリアル【短編集】

第20章 甘えたさん@孤爪研磨




午前中は部活があった。

土曜日だから、と美心を家に誘っていたのに。
なのに、練習が入ってしまった。急なことだった。春高の予選も近いし、休むわけにもいかない。

最近はバレーばかりで、美心と一緒に居られないことが多い。帰り道、休日、それまで共に過ごしていた時間がどんどん減っている。

申し訳ないと思う。

なのに、美心は「大丈夫だよ」と言う。
「ゆっくり休んで」と笑顔で言う。

気を使ってくれている。それが分かって、それに甘えて、その笑顔でなんとか頑張ってきたけど、

…限界。美心が足りない。


「美心…」

休憩中、君の名前を呟いてみた。
…だからといって、会えるわけではないけれど。

部活は午前中で終わる。今日は自主練の付き合いも程々にして、早く帰ろう。早く美心に会いたい。


柄にもなくそんなことばかり考える。クロが何か言っているけど、頭に入ってこない。ああ、早く抱きしめたい。

美心に会いたい。

/ 145ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp