第3章 課題教科・恋愛@赤司征十郎
赤司side
コップを2つ持って帰ると、美心は机に突っ伏して寝ていた。やはり疲れたのだろうか。ココアが冷めてしまうので起こそうと思ったが、気持ちよさそうに寝ていたのでやめた。
「しかし…覚えて無かったか」
あの、お気に入りだと言っていたシャーペン。そのキャップは、俺があげたキャップだ。
付き合う前…初めて喋ったのがあの時だったか。確かにその時、俺は君に一目惚れしたんだよ。
「どんな夢を見ているんだい…?」
サラサラの髪を梳くと、「ん…」と声が漏れた。
起こしてしまったのかと思ったが、むしろこのまま夢から覚める事は無さそうだ。
「ありがとう、赤司………せいじゅうろう…くん…」
俺の夢?…嬉しいな。
「いいえ、こちらこそ。
大好きだ、美心…」
夢見る君が、優しく微笑んだ。
fin