第1章 ×長男 甘裏
小さいころから、この小さい胸がコンプレックスだった。
色気ないし、私の手でも掴めてしまうBカップ。
この胸を見せることで、彼氏であるおそ松が物足りないとか、そう考えたりするのが怖い。
だから私は、付き合って半年にもなるおそ松と、未だ行為に及べていない。
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「おれさぁ〜そろそろいいと思うんだよね」
「いや、だから何が」
「ちゃんとセックスだよ!!!決まってんだろ!」
「知らねぇし!!!!!なんで逆ギレされなきゃいけないの意味わかんないだけど!!」
おれには付き合っている彼女がいる。
名前はっていうんだけど、すっげーかわいい。
「………てゆーか、付き合ってたのは知ってたけど、まだしてなかったんだ…おそ松兄さんならとっくに」
「え?なになに興味ある?いや〜チョロ松くん!ムッツリだね〜!お、テント張ってる?シコ松しちゃう?」
「してねーし!!!んなことでテント張ってるわけねーだろ!どんだけ免疫ないんだよ!!」
「いや、お前も同じようなもんでしょ〜、チェリー松」
「お前だってまだ童貞だろうが!!そのあだ名全員に該当するからな!!!」
そう、半年もおれが待ってれたことが異常なんだ。
最初のころは「早く童貞卒業してー!」って思ってたし、いや今でも思ってるんだけど。それでを家に呼んだりとか、まあそういうのを匂わせながら誘いをかけたんだけど、が避けてるような気がしてやめた。
普通ならあそこで「え〜あそぼーぜ〜?」って畳みかけてたと思う、けどなんかの顔深刻そうで諦めちゃったんだよね〜。なんだったんだろ。
とりあえず、を家に呼ぶことを目標に、電話をするためおれは玄関のほうに歩いた。