第2章 ~隠れ家の前で~
「・・い・・・おい・・おい!」
目を覚ますと、私は
黒い長髪の男に抱きかかえられていた。
「大丈夫か?」
「・・・」
私の体は傷だらけだった。
「何があったのだ」
「・・・」
なにも思い出せない。
「覚えてない・・・」
長髪の男はため息を漏らした。
そして私を優しく立たせた。
「お主、名前はなんというのだ?
名前くらいは覚えているだろう?」
「・・・蒼威・・・」
「蒼威殿。
お主の傷が癒えるまで
俺の家で保護しよう。
ちなみに俺は桂だ。」
「・・・っうう・・」
「どうした!?」
「あ・・・たまが
痛い・・・」
立っていられないほどの痛みで
私は意識を失った。