第24章 * お見舞い【諏訪怜治】
俺は菜々海の上にかぶさった。
心臓の鼓動と荒い息遣いが静寂な部屋に響いている。
そして、少し落ち着きを取り戻したところでズルリと俺自身を彼女のナカから抜く。
彼女を見る。
彼女の瞳には今にも溢れそうなほどに涙が溜まっていた。
怜「菜々海…?」
貴「れい、じの、ばかぁ…!」
怜「!?」
貴「心配したんだからね…。普段、ほんとに風邪とか引かないからどうしようかと思ったじゃん。」
怜「菜々海…。ごめん。」
布団をかぶり彼女を抱きしめる。
おでこにくちづけをして、感謝の意を示す。
怜「菜々海ごめん。大好きだよ。」
貴「うっ。…当たり前だバカ…。」
お互いに抱き合って眠った。
翌日…。
貴「うぅ…。頭痛い…。」
怜「うつしたかな…。」
貴「れい、じのせいだ…。」
怜「じゃあ、今日は俺が看病するから。」
妖しげな怜治の瞳…。
でも、その奥には優しさと愛しさが混じっていた。
この気持ちを互いに抱え続けて過ごしていくだろう。
菜々海は怜治のその瞳に見つめられながら眠りについた。
目覚めた時、幸せが待っているだろう。
なぜなら、左手の薬指には光り輝くシルバーリングが輝いていた。
END