【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第5章 2次試験・前編
「あれ、前の人がどんどん消えてってる。
ひょっとして外の出たのかな?急ごう」
「ええ」
確かこういうものは数秒遅れただけで不合格になる。
速度を一気に速め、受験者をごぼう抜きにする。
「ふーっ、着いた」
「は、速過ぎですよ…」
ゼェゼェと息を切らし、上目遣いに睨む。
確かに置いてって良いとは言ったけど…。
それでも息1つ乱していないシャルナークさんを少しだけ憎らしく思った。
「あ、ごめん。
仲間達と居る時よりかは遅くしたつもりだったんだけど」
一体普段どんな人達と居るのか。
「いえ」
ここで取り乱してはいけないと思い必死に平静を保つ。
この場に誰も居らず私1人だったら間違いなく声を荒げていただろう。
私の少し後ろで扉が閉まり、あとの人は皆不合格だ。