【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第28章 内緒の涙
バカみたい。
あんなに弱いところを曝け出して。
弱いところを見せればつけ込まれるだけなのに。
そんなこと、分かっていてと止められない。
シャルになら良いかも、って思ってしまう自分が居て。
何時間も、何時間も泣き続けた。
どんなに涙を流しても、この涙が枯れることはなかった。
泣いても、心にポッカリと空いた穴は塞がれることはない。
むしろ時間が経つにつれて広がる一方だ。
「誰か私を…殺してくれないかな…」
こんなに動揺して醜い私。
そんな私を必要としてくれる人間なんてきっと居ない。
「死んじゃダメだよっ」
背後から声がしたり
心の底で来て欲しいと願っていた、優しい声。
「シャル…」
「リアが死んだら、俺はどうすれば良いの?」
息を乱して問いかける。
「さっきはごめん。
リアに馴れ馴れしく話しかけてるあいつを見たら、苛々いちゃって。
リアに八つ当たりしてた。
本当にごめん」
申し訳なさそうに眉をひそめる。