【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第25章 鬼ごっこ
漆黒の瞳が私を捉える。
「蜘蛛だ」
「欠員でも出たの?」
「いや、全員居る。
蜘蛛の心臓で俺と同じく数字を持たない」
ポン、と頭に手が置かれた。
「そんな不信そうな目で見るな」
「だって強くないじゃん、これ」
これ呼ばわりか…。
「戦闘能力については詳しくは知らんが、観察力とオーラの使い方は相当だぞ」
「信じられないけど」
「リア、少し円を出来るか?」
小さな溜め息のあと、そう言った。
「あ、はい」
神経を集中させ、周囲に不要な影響を与えない様小規模範囲に円を張る。
「これ…」
「あぁ。
本気を出せばこの倍はくたらない」
「オーラの絶対量は高いんだね」
イルミさんの瞳に、ようやく私自身が映った写った瞬間だ。
「よっ…はい、通りなよ。
開けといてあげるから」
片手で楽々3の扉を開けてしまった。