【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第20章 暴走
「…徹夜になるな」
盗って来た本を片手にそう漏らすクロロさん。
「何か問題あったの?」
「翻訳が必要そうだ」
この国のものじゃないんだ。
今開いているページをそのままシャルに見せる。
「うわー…何それ。何語?」
見るや否や顔をしかめる。
「分からない。
まずはそれを調べなくてはな」
「が、頑張ってね…」
「あぁ。
俺は少し部屋に籠って調べる。
何かあったら来てくれ」
「ご飯とか飲み物届けに行くよ。
団長熱中するとそういうの疎かにするタイプだし」
よく分かってるんだな、仲間のこと。
携帯が震えた。
…またゾルディック家からのメールだった。
“ 依頼中止、キルに不自然さはなくなった ”
という内容だ。
キル、とはきっとキルアさんのことなのだろう。
「どうしたの?リア」
「いえ、別に。
なんでもありません」
あえて伝える程のことでもないし。