【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第19章 決行
「会う人ぜたいワタシのこと怖いとか、不気味言たよ。
怖がらないのお前が初めてね」
「私は正直、クロロさんの方が恐ろしいと感じましたけどね」
怖いじゃなく、恐ろしい。
「団長が?」
「ええ。
本当は計り知れないぐらい強くて、殺しに対して執着があると思うのに。
それを一切感じさせないんですよ。
怖くないのが怖い。
普段から怖い人なら少しは警戒しますけど、怖くない人にはそれが疎かになってしまうんです。
どうしても油断しそうになります」
「…ま、確かにそうね」
少しの沈黙のあと、答えてくれた。
「お前、そういう経験あるか?
怖くない相手に油断した、そんな経験が」
「!」
ピク、と身体が強張るのを感じる。
「やぱりね。
でも蜘蛛は皆訳ありよ。
別に話す必要も、気にする必要もないね」
興味なさそうに告げた。
「鋭いですね」
「そうでもないよ。
人殺しは怖くない言てたね。
どうして怖くないか?
普通皆怖がるよ」