【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第8章 3次試験
その後も他愛ない話をして2日間を過ごした。
ピィィィーッッ‼︎
脳に直接響くような、甲高い笛の音。
「ただいまを持ちまして、第3次試験は終了とします。
受験生の皆さんはプレートを持ってスタート地点へ戻ってください」
「スタート地点かぁ、団長どこだか覚えてる?」
「あぁ」
「じゃあ先頭お願い。
俺色々歩いてる内に分かんなくなっちゃった」
申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「なら行くぞ」
イトは笛の音と共に刀の中に戻った。
「ここがスタート地点だ」
クロロさんが脚を止めたところには3次試験官、チノが立っていた。
「1時間の猶予がありますので、どうぞ身体を休めてください」
「1時間かぁ。
ハンター試験って結構時間がかかるんだね。
ちょっと甘く見てた」
参ったなー、と呑気な声で呟いた。
「まぁ、良い暇潰しにはなるんじゃないか?」
「それはそうだけど…。
ここまで手応えがないとね、なんだか拍子抜けしちゃったな」
「それはお2人が強すぎるだけですよ」
試験成績にしろ、戦闘能力にしろ、基礎体力にしろ頭1つどころか断トツに抜きん出ている。