第13章 夏休み合宿~四日目~。
夏休み合宿も四日目、いよいよ後半に突入。
昨日の夜が遅かったからか、昨日までよりも遅くに起きてしまった。食堂に行くと、翔ちゃんとリエーフが、はぐはぐとご飯を頬張っていた。どちらも三人前…
『おはよ、翔ちゃん、リエーフ…』
くぁっ、と欠伸をしながら挨拶をする。返事をしてくれたけど、ご飯が詰まっているから、何語か分からない。
「オハヨー、アカリ!」
二つ目のハンバーグにかぶり付きながら、リエーフが言った。ほっぺがリスみたいに膨らんでいる。
「アカリ、おはよ!」
ご飯を口いっぱいに入れたまま、翔ちゃんが言った。その口は、リエーフ以上にリスっぽくなってる。
「そんなに食べてるのに身長に栄養いかないとか、どんな体なの」
フッと鼻で笑いながら言ったのは、蛍くんだった。お盆に載っている食事は、私からしたら普通だけど、これから動くと考えれば少ないのだろう。
「うるひゃい、ふひひまっ!」
『翔ちゃん何言ってるか全然分かんないから』
「ツッキー食べる量すくねーぞー、だからモヤシみたいにひょろっひょろなんだよ」
隣から口を挟んだのは、クロ。
「そのツッキーって、やめてください」
『ねえ、朝からその髪型どうなのよ…』
「クロさん相変わらずっすね!」
「リエーフに言われるとなんか腹立つわー」
「ひどいっすよ!」
「チョット、無視しないでくれます?」
クロもリエーフも見事なまでに蛍くんをスルーした。その隙に、翔ちゃんがリエーフのお皿からハンバーグをかっさらう。
「日向!俺の食ったな!?」
「ひはう、アカリがふっは!」
『ちょ、巻き込まないでよ!?』
「食事くらい静かにできないわけ?」
不愉快そうな蛍くんをよそに、案の定二人は喧嘩を始めた。
朝からこれとは、全く以て疲れる人たちだ。