第12章 夏休み合宿~三日目~。
今日は折り返しの合宿三日目。
今日も午前中から試合、試合、試合!三冊持ってきたノートは、既に一冊目が終わりに近づいていた。
みんなの特徴や試合の時の様子など、細かいことを書いている内に、いつの間にか膨大な量になってしまったのだ。クロは、私の書いたノートは全部部室に保存してある、って言ってた。役に立てたなら、よかった。
午後になると、気温は34℃。茹でられそうな暑さに、ペナルティの裏山ダッシュも熱中症になりそう。
各校の監督たちが話し合い、日の高いうちはペナルティを裏山ダッシュから、フライング一周に変更することになった。
そして、セット間の小休憩になった。動きっぱなしは疲れるだろうと、少しの間休憩時間をとることになったのだ。
『リエーフぅ、手伝ってぇ~!』
「はいっス!」
試合と後なのに元気よく駆けてくるリエーフ。日に日に犬具合が増している気がするのは気のせいかなぁ…←
「どこ持ってくんだ?」
『向こうの第一体育館の方。これからまた試合あるでしょ?それまでに用意しておいたらいいかなって』
「そっかー、アカリはエライな!」
にかっと太陽みたいな笑顔を浮かべるリエーフ。私はニヤリと笑い、言った。
『褒めてくれるのは嬉しいな。でも、バンザイブロックはどうにかしようね!』
ジリジリと日差しの照る渡り廊下で、リエーフが、そりゃないよぉ!と言う。私は思いっきり笑った。