第1章 プロローグ。
案の定、西谷先輩と田中先輩にした説明を繰り返すことになった。3人の先輩はそれぞれ澤村さん、菅原さん、そして東峰さんというらしい。
「へぇ、日向のいとこか!」
『はい。諸事情によりまして、先日を以てこっちに戻ってきた次第です』
「畏まんなくていーぞー、えーっと…日向と紛らわしいから朱里ちゃんで…?」
『大丈夫です、菅原さん』
「あー、俺らも何か適当に呼んじゃってよ。な、大地?」
「おう」
適当にって…菅原さんアバウトだなぁ。そうは言っても3人とも先輩なワケだし…困る。悩み抜いた末、私は一つの結論に辿り着いた。
『翔ちゃんもそう呼んでたんで大地さん、スガさん、旭さん…とかで良いですかね?』
顔色を窺いつつ提案すると、何故かおぉ…と感嘆の声が聞こえた。
「やっぱ女子に言われると違うなー!」
「よろしくね、朱里ちゃん」
『あ、こちらこそ』
くぅーっと何かを噛み締めるようなスガさんを横目に見ながら、旭さんと握手をした。
「それで、朱里ちゃんはマネージャー希望なんだっけ?」
『はい。1年生のみんなの練習を少し見たのですが、のびしろもあってこれからが楽しみです。お願いします!』
「ウチとしても3年生のマネージャー一人しかいなかったから心強いよ。よろしくね」
主将の大地さんに言われホッと一安心した。
その後、合流した顧問の先生やマネージャーの清水潔子さんや2年の縁下先輩、成田先輩と木下先輩にもそれぞれ挨拶をした。
これから烏野高校排球部のマネージャーとしてみんなを支えていくんだ!
そう決意してこれからの毎日に思いを馳せた私でした。