第6章 恐怖の期末テスト。
激しい雨音がする。それと誰かの寝息も。俺は重たい瞼をゆっくりと開いた。枕元のスマホで時刻を確認すると、午前四時。早いな。
ごろり、と寝返りをうった。目の前には朱里が眠るベッド。あの寝息は朱里のものだったのかと今更自覚した。
時折、ピカッと稲光が部屋を照らし、ゴロゴロと遠雷が鳴る。そういえば、夕方のニュースで今日は荒れると言っていた。
もう一眠りするか。そう思って寝直そうとした矢先、俺のスマホがけたたましい音を鳴らした。しまった、平日と変わらない時間に目覚ましをつけてしまった。
ジャンジャカジャンジャカと鳴り響く騒音のお陰で、すっかり眠気が吹っ飛んだ。
『んぅ…なによぉ…』
「悪い、起こしたか?」
『そりゃおきるでしょおよぉ…』
むくりと起き上がった朱里は、う~んと伸びをした。
『ふわぁ、今何時ぃ?』
「朝の四時ッス」
『うん、もう一回寝るね』
おやすみなさい、と朱里が布団に潜った直後、一際大きな雷が鳴った。
ピカッ ゴロゴロゴロゴロ…
『いぎゃあああぁぁぁぁぁあああ!!!』
「おわっ!?」
どこから出したんだよと疑いたくなるような奇声を発しながら、朱里は布団にくるまってガタガタと震えている。
「おい、大丈夫…か?」
『う~…怖い怖い怖い怖いぃぃぃ…』
「朱里、もしかして雷が苦手…か?」
『だ、だったら何よ///』
照れたように呟く朱里に面食らった。思わぬ弱点発見。