第1章 時代を覆せ
~マリンフォード(海軍本部前)~
イ)「のるなエース!!!
戻れ!!!!!」
赤犬の言葉に足を止めたエースに叫び、呼びかけるイゾウの声が聞こえていないかのように、エースは赤犬に殴りかかった。が。
赤)「ロギア系だからと言って油断しちょりゃあせんか?
わしとお前の能力は完全に上下関係にある!!」
腕が焼けたエースを前に、まったく効いていない赤犬は立ちふさがり、すぐ近くにいたルフィをじろりと睨む。
赤)「貴様ら兄弟だけは絶対に逃がさん。
よう見ちょれ…」
エ)「……おい!待て!!!!」
言葉の意味を理解した時には赤犬はルフィに殴りかかろうとしていて。
エ)「ルフィ!!!!!!!!」
ル「!!!」
ルフィに届かないことを悟ったエースは…
エ)「ガフッ…!」
ル)「ぇ、…え…………す………?」
自らの身を呈して、ルフィと赤犬の間に立った。
ル)「エース………!急いで手当て…」
エ)「ルフィ…ちゃんと助けてもらえなくて……すまなかった……!」
少し途切れ途切れに、エースが言葉を告げた。
ルフィがエースの背中を支えていた自分の手のひらを見ると、血がべっとりとついていた。
ル)「っ…!
お前、絶対死なないって……!!!
言ったじゃねぇかよ、エース!!!!」
エ)「…そうだな
(守れねぇ約束しちまうなんて…情けねぇ)
サボの件とお前みてぇな世話のやける弟がいなきゃ…
(こんな弱虫置いて行けねぇのに)
おれは…生きようとも…思わなかった…
(まだ皆と旅を続けたいのに)
誰もそれを望まねぇんだ…仕方ねぇ
(もう、力も入らねぇ…)
……親父、皆…それから、ルフィ。
(最後に、会いたい奴がいる。
…なんて。)
今日まで…こんなどうしようもねぇ俺を
(もう、遅いか。)
鬼の血を引く、この俺を…
(せめて…届いてくれ)
愛してくれて…ありがとう……!!!
(愛してる_________
____________________________クレア)」