第5章 能力の闇
この能力を手に入れたのは
約1年程前
その期間で色々なものを得て
色々なものを他人から奪った
容姿
悪魔の実の能力
力
技
頭脳
技術
_________________命
びっくりした
ただ私は人を救いたかっただけだった
ただ助けたかっただけだった
得た能力を“呪い”にしたくなくて
人の役にたつって
誰でもない
ただ自分に証明したかった
だけど汚点にすぎなかった
他の人は能力を力として
太陽の下で笑っているのに
あの人も能力で戦って笑っていたのに
私にはそんな力も度量も何もかも
ない
人目に触れるのが怖くて
いつ指をさされて“悪魔”といわれるか
ずっと怯えて生きてきた
殺してしまった人の目が
表情が
声が
血が
何もかもこびりついて
謝っても目を瞑っても耳を塞いでも洗っても
何をしたってとれない
離れない