第15章 けんもほろろ
2日間、クレアちゃんは目を覚まさなかった。
鎮静剤の効果は一時的なものであり、当たり前だけど2日間も眠らせる効果はない。
それでもまるで死んだように眠るクレアちゃんを。
貴)「……」
船長は、海楼石の錠で繋いだ。
船長は寝ないでクレアちゃんをただ見ていた。
起きて欲しいと思う反面、気を失う直前に吐いた言葉が引っかかっているんだと思う。
「殺してほしい」と言わせたのは、
間違いなく俺たちで。
シ)「その…ご飯、持ってきたんだけど…
食べる?」
「死なせたくない」と思ったのも、
俺たちだった。
俺の質問に返事は返ってこない。
シ)「…ごめん、こんなもの付けられてたら話せないよね」
俺は困ったような顔をしてるだろうけど、笑ってみせた。
持ってきた食事を机の上に置いて、クレアちゃんの側に寄る。
涙の跡がついた頰に軽く手を擦らせて頭の後ろに手を回した。
シ)(…寝ている間も泣いてたのかな)
疑問を頭に浮かべながら、正解を聞けもしない答えを考えて。
シ)「ん、息苦しかったよね。
大丈夫?」
猿轡を解いた。