第14章 充溢が生む空白
ロ)「……!!」
力尽きる様に首が折れ、何も言わなくなったクレアに、ローは反射的に首から手を離した。
ロ)「っ、“カウンターショ____
シ)「船長!!」
手をクレアに向け、能力で電気を送ろうとするローの手を止める。
シ)「鎮静剤の効果ですよ…!
寝ているだけです!!」
シャチの大声におそるおそるクレアの首に手を触れて、脈があることを確認すると荒くなった息を落ち着かせる。
ロ)「……悪い」
シ)「いえ…
俺こそごめんなさい、まさか海軍の新聞が届くなんて…」
シャチは床に落ちている新聞に視線を向けると一面の内容に拳を握る。
ロ)「いや…………。
……寝かせてくる」
新聞に目を向け、何か言いかけるも何も言わず、クレアを抱き上げ自室へ向かった。
ぺ)「どうするんですか」
自室に向かう途中の曲がり角で、壁に凭れていたペンギンの帽子の陰から覗かせる目がローを捉える。
ぺ)「作戦。
クレアちゃんの協力がないと成功しませんよ。」
ロ)「…中止はしねェ」
ぺ)「じゃあ、成功もしませんね」
ロ)「……」
ペンギンの言葉に深く眉間に皺を寄せるが何も言わずにローはそのまま自室へ入っていった。
その背中を見送りペンギンはため息をつきながら雑に頭を掻く。
ぺ)「……あんたがそんな情けない状態で成功するわけねぇだろ」