第14章 秘密
_恭雅
あんな事があってからなんだか気まずくて
同じ家にいても最低限の会話しかしなかった
けどこんな生活いやだし、ちゃんと謝らないと
今日は紫音は仕事で少し遅くなるらしい
先に食べててと言われたが、なんだか食欲もない
例えば熱が出ても、気分が悪くても食欲だけはなくなったことはないのに
こんなこと初めてだ
紫音と話して笑うことが何より俺を元気にさせる
もう離れられないよ…
だから、帰ってきたら謝ってまたゲームとかいろんな子と一緒にするんだ!
……そう思ってたんだけど
一通のメール
佐倉田華奈
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色々な手を使って緒方さんのメールアドレスを入手したの
それでね?あなたの秘密教えちゃった♪
なん だと?
俺が何もしなきゃ動かないみたいなこと言ってたのに
何故だ
そして彼女になんて送ったんだ!
電話で直接聞いてやる
プルルル……
華奈『もしもし?嬉しい!恭雅くんから電話なんて♡』
『おまえ、なんて送ったんだ』
華奈『え?メールのままよ?
あなたのお父さんが裏切ったって、ぜーんぶ教えたよ?』
『ふざけんな…何でそんなことっ』
華奈『だって……』
『だって、なんだよ』
華奈『……目障りなのよ、緒方紫音、今も昔も』
『なに?』
華奈『高校の時、あなたのために何でもしたのに私は振られて、あいつは何もしないのにあなたに好かれて、うざいのよ!
なんでっこの私が!あなたの事誰よりも好きなのに!』
『……お前はあいつのこと何も知らないんだよ』
華奈『じゃああなたはあいつの何を知ってるって言うの?!』
『真っ直ぐなとこ、一生懸命なとこ、我慢強いとこ、優しいとこ、周りをよく見るとこ、人の役にたちたいと思ってるとこ、もっとあるその全てが好きなんだ
いい所だけじゃなくて、悪いとこもある
人の事ばかりで自分を大事にしないとこ、落ち着きがないとこ、ちょっと褒めるとすぐ調子乗るとこ、機嫌が悪いとすぐ顔に出るとこ
それですらも愛おしいと思う
彼女のことまだ知らないことあると思うから、
……頼むから俺達の関係を壊さないでくれ』