第8章 グノーシス(KENN)
「KENNくんって。本当に綺麗な顔してますよね…。」
ベッドの縁に、左頬をつけながら私は床に座る。
「何…言ってんの…」
瞼を擦りながら、私の方に顔を向ける。
「はぁあっ…」
大きくあくびをする姿も絵になる。
「見てて飽きないです。」
「………」
「寝癖も可愛い。」
「え…どこ?直して。」
「んとね。ここです。」
KENNくんの後頭部を触ろうとするものの、その度に寝返りを打たれて触れない。
「ちょっと。動かないで下さいよ。」
「ん?だからどこ?」
「ここっ!」
中腰になって、KENNくんの顔の横に左手をつき右手で寝癖を触る。
その瞬間!
左手を弾かれた。
「ちょっ!!!」