第6章 Naughty(良平)
空港に向かうタクシーの中でTwitterを開く。
『昨日、迷い猫を拾ったよ。』
『数時間後に無事に飼い主の元に帰れて良かった。』
『一安心』
「送信っと。」
『猫ちゃん帰れて良かったですね!』
『良平さんの元に来られた猫ちゃんは幸せだったんでしょうね。』
次々とコメントが入ってくる。
少しするとLINEの音が鳴る。
メッセージを見て笑った。
『オレは飼い主じゃありませんよ。』
『良平さんが飼ってあげれば良いじゃないですか。』
『手懐けるには、かなり手こずると思いますけど。』
最後に紗友ちゃんのすやすや眠る寝顔の画像が添付してあった。
「手こずるか…」
「手懐けてみせるよ。」
車窓から見える澄み切った青空を眺めながら、呟いた。
END