• テキストサイズ

Season~声優さんと一緒~

第3章 sniper (岡本)



ハッと我に返る。


「ちょ!…さすがにマズい……!」

「紗友さん!かっきーさんじゃないです!」



その声に驚いて、紗友さんはオレから離れた。


「ごめんなさい!!」


瞳には、うっすら涙が滲んでいる。


「いやいや。大丈夫ですよ。」


「何て事しちゃったんだろう…本当にごめんなさい。」



「気にしないで下さいって。」



「ごめんなさい…ごめんなさい…。」



ふと気付く。


この人は、オレに謝ってるんじゃないんだ…。


ここにはいない最愛の人に謝ってるんだ。




口元に手を当て、何度も何度も謝る。


本当、完敗だなぁ。


付け入る隙すら無いよ。



「紗友さん?大丈夫ですよ。」


そっと頬に指を触れる。


ようやくオレのことを見てくれた。


瞬きをすると涙がこぼれた。


その涙を親指で拭いながら、囁くように耳元で呟く。


「誰にも言いません…。『二人だけの秘密』です。」


ニコッと笑うと紗友さんはホッとしたように微笑んでくれた。








自分の想いを抑えるのなんて…


簡単と思ってたのに。


難しいかもしれない…










END


/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp