第24章 burn(達央)
「じゃあ、舐めて。」
体を引き寄せ口付ける。
「んんっ」
逃げる舌を追って絡め取る。
氷を噛んだ口内と舌は、冷たい。
それに反して、紗友は熱い。
「タツっ…んっ」
苦しそうに胸を叩く。
「ん?どうした?」
「どうした?じゃないよ!こんな事…」
眉を寄せながら、頬を染め俺を睨む。
「あはは。だから、大丈夫って言っただろ?」
「紗友が信じないから実力行使。」
「な?」
「?」
「俺は紗友の料理。また食べたいって思ってる。」
「あっありがとう。」
肩をすくめて上目遣いで俺を見る瞳。
もう、いいか…。
「紗友の料理を食べる理由をいちいち探すのが面倒なんだよな。」
「え…?」
キョトンとする顔。
阿呆面だよな…
「ったく…だから!」
「お前とはキスもしたいし、理由も無く作った料理が食いたいんだよ。」
何度か、まばたきをすると色を濃くする頬。
「言いたいこと分かった?」
何も言わずにコクコクと頷く紗友。
ギュッと抱き締め、耳元に唇を寄せる。
「好きだ。」
背中に回された腕に力が隠った。
「私も……好きです。」
小さな声でも聞き逃さない。
紗友のうなじに顔を埋めるとほのかに香るコロンの匂い。
肺いっぱいに吸い込んだ。
「なぁ?もう1回舐めてよ。」
「えー。イヤ。……火傷痛いでしょ?」
そっぽを向いて、俺から離れる。
そんな事許さないよ。
「んー。大丈夫みたい。」
後ろから抱き締め、耳元で呟く。
「舐めて貰ったのが効いたんだな。最高のクスリ。」
「なぁ?紗友?おクスリちょうだい。」
耳を真っ赤にさせる紗友。
これからもっと染めてやるよ。
「覚悟しとけよ?」
もう一度強く抱きしめた。
END