第22章 honey(宮野)
様子を窺いながら、ゆっくりと寝返りを打つ紗友
グルンと向きを変えるとぶつかる視線。
紗友は、驚いたように目を見開く。
「まっマモちゃん!」
「おはよう。来ちゃった♪」
「『来ちゃった♪』じゃないよ…」
あきれ顔の紗友。
「調子はどう?ツラい?」
「えっと…徐々に良くなってるから大丈夫。」
「心配させちゃって、ごめんなさい。」
「わざわざ来てくれて、ありがとう。」
優しい微笑みに我慢出来ずに抱きしめる。
「マモちゃん!ダメ!うつっちゃうから!」
胸を押し返す力なんて、何の抵抗にもならないよ?
「紗友…俺は、キミに会えない事の方がツラい。」
「ずっと逢いたかったんだよ。」
「紗友が俺の事を心配してくれるのは、スゴく嬉しい。」
「でもね。」
「俺も紗友の事を心配してるんだよ。」
「伝わらないかな?」
唇を引けば、フッと鼻から息が漏れた。