第20章 MERRY CHRISTMAS(宮野)
サクラの頭に顔乗せるなんて…
「反則ですよ…」
「ん?どうしたの?」
少し離れた場所からこちらを覗う。
私はペタリとフローリングに座り込み、脱力するしかない。
本当…可愛すぎ…
チャッチャッチャッチャッと爪の音を立てながら、サクラが私の元に歩み寄る。
頭を撫でると、そそくさと元いた場所に戻る…。
そこ。私の場所なんだけど?
少しふてくされながら、真守さんの横に座る。
「真守さん。お仕事じゃなかったんですか?」
「ん?仕事だったけど、終わってすぐLINEしたんだけど気付かなかったかな?」
顔を覗き込んで、ニコッと笑う。
笑顔がキラキラし過ぎて眩しいです。
「そうだ!LINEって雪降るんだね~。知らなかったよ。」
「紗友は知ってた?」
「いや…雪なんか見るもんか!ってLINE自体チェックしてませんでした。」
「だから…真守さんのも見てなかったんです。ごめんなさい。」
真守さんに向き直り、頭を下げる。
「仕事中だと思ったから、大丈夫だよ。気にしないで。」
よしよし。と頭を撫でてあやしてくれる。
「あ!そうだ!」
そう言って、バタバタとキッチンに消えていった。