第11章 VOICE(達央)
膝に重みを感じる。
ふと瞼を開け膝を確認する。
「タツさん!?」
「なっなんで…タツさんが!?」
「は!?」
そう言えば…聞いたことがある…。
タツさんは、酔うと膝枕したがるって。
「これか!」
クスッと笑い声が聞こえる。
「この状況でよく『これか!』とか言えるよな。」
「へ?」
「達さん!酔ってるんじゃないですか?」
「少しだけな。」
腕を額に乗せて、少し舌を出す。
何かを企んでそうな視線に夢中になる。
「強敵との戦いのために、もう少し充電させて。」
そう言って、達さんは瞼を閉じた。
END