第7章 GW合宿 その2
言うと旭先輩は自分の上着を私の肩に羽織らせてくれた。
ほんのり旭先輩のぬくもりを感じる。
お礼を言って上着が落ちない様にぎゅっと握りしめた。
「さっき着たばっかりだから汗臭くは無いと思うけど…」
心配そうに旭先輩がこちらを見るものだから、見上げた先の先輩が可愛らしく思えてしまう。
「全然汗臭くなんかないですよ!むしろ石鹸のいい匂いがします」
少しだけ襟元の匂いをかぐ仕草をすると、旭先輩はあたふたと慌てはじめた。
「うわわっ、なんかそれは恥ずかしい!匂いかがれるのは恥ずかしいから!」
「ふふっ」
困ったような、でも少しだけ頬を赤らめた旭先輩の顔と、石鹸の匂いのジャージは、積み重ねていく思い出の中の1つ。
だけど、私にとって、とても大切な1つになった。