第4章 木曜日
ゥビーッビビビビビビビビビビビビィーッ
「・・・・・・・・・・」
朝から連打された玄関の呼び鈴に、全蔵はげっそりした。
どうせそうだろうと思って出れば、予想に違わず可愛い顔のサディストがにっこりしている。
昨日の今日で、この綺麗な包装の中身が北朝鮮からぶっ飛んで来る弾道ミサイル並みに、無軌道でよろしくないモノなのは確認済みだ。
「さぁて、じゃ、見舞いンでも行きますかィ。チーム211が待ちかねてますぜ」
「・・・・いや、俺はいよいよ持病がひでェんでよ。このまンまうちで寝てるかいっそチーム211に返り咲いてもかまわねェなんて思うとこまで追い詰まってンだよ、ぶっちゃけ。これは相当だぞ。尻から死に至りかねねぇよ?見てえか、尻で死ぬヤロウの姿なんか?」
「いやあ、そいつァ大変だ。さぁ行きますぜ」
「・・・・お前いっつもこんな感じか。いっつもこんな感じなのか」
「俺ァいつでもどこでもこんなんですぜ?裏表ねェのが自慢でさァ」
「・・・・そらそうだろうな。表も裏も真っ黒で区別がつかねえんじゃそうなるしかねえだろ。何でお前が警察なんだ。おかしいだろ、司法国家の警官じゃねえぞ、お前は」
「まあまあ、尻の旦那。見舞い買ってお仲間ンとこォ行きましょうや。ぐずぐずしてると尻ン穴に爪先蹴りかっ食らわせますぜ?」
「・・・・お前にも尻の穴くれェあんだろ?そこにそんな真似したらどうなるかくらいわかんねえか?」
「俺ァ尻の穴なんかねェ事になってんでさぁ。なんせ俺の名前を聞いただけでキィキィ屠殺前のブタみてェに騒ぎ出すメスどもが佃煮にしても余っちまうくれェいるもんでねェ」
「・・・・お前みたいなのこそ大痔主になるべきなんじゃねえのか?なんだ、このアンフェア感は」
「諦めなせェ。所詮アンタの器ァそこまでって事でさァ」
「・・・・大概の事は愚痴ですませたいタイプなんだよ、俺は。何で余計な殺意を抱かせる訳?何がしたいの、お前は」