第40章 月島蛍は審神者である。4
「きちゃった♡」
ギャルゲーお約束の台詞をキメたのは『ギャル』てはなく月島にしてみれば『むっさい』男であった。
「蛍や蛍、あのびぃどろの器であの何とかという茶を点てておくれ」
ニコニコ、と勝手にどこぞから発掘したらしい来客用座布団にちんまり丸まる三日月宗近に月島はハァとため息をついた。
「いやぁ、畑仕事も頑張ってさぁ、夕餉も自分で食べれるってちょっぱやで平らげて大将に会いたい会いたいって聞かねぇからよぉ…」
その隣にはちゃっかり薬研が居る。
「おぉ、山姥切の何やら良い香りがするではないか…何の香やらわからぬが、こちらに来てじじに髪でも梳かせておくれ」
持参した扇をあおぎふわふわと白檀か何かの香りをただよわせて三日月宗近はご機嫌であった。
月島に手で追い払われ仕方なく山姥切は三日月の隣に座す。
すかさず三日月がまんば布を下ろし懐から出した櫛で彼のまだ僅かに水気を含む髪を梳る。