第36章 月島蛍は審神者である。
「こちらも今回は手伝い札を使用しましょう」
ふわり、と桜が舞いきちんといずまいをただした山姥切が部屋に現れる。
「月島……ありがとう」
山姥切がぺこりと頭を下げる。
「べ、別に僕は……まあ、汚い姿で居られても困るから……」
ツンとそっぽを向く月島にホホ、と三日月が笑う。
「主はつんでれ、なのじゃな」
妙に現代じみた言葉で三日月は云い茶を飲む。
「う、うるさいっ!」
がん、と椅子の柱を蹴る月島。
「さて、今宵も更けてきたし俺は眠るとするか……」
よいしょ、と立ち上がる三日月。
が、そのまま立ち尽くしている。
「…………?」
残り三人は頭に?マークを浮かべ顔を見合わせた。
「俺の召し変えはまだか?」
ごく当然の如く言い放つ三日月に、月島は鍛刀画面を初期値で開始せざるを得なかった。
「よお大将。俺っち、薬研藤四郎だ。
兄弟ともども、よろしく頼むぜ」
三十分後、彼が現れるまで結局三日月は立ち尽くしていた。